〜なぜ社内制度・施策は続かないのか?〜
活用されるために取るべき7つのステップ

社内施策が続かない大きな理由は“スタートがゴールになっている”

入念に準備してスタートした制度が、知らぬ間に「誰も使っていない」形骸化した制度になってしまうことも。

会社のホームページなどにも掲載しているような社内制度や福利厚生制度。このような制度が続かない理由は、一度設けた社内制度や施策をそのまま放置していることが大きな原因です。以下の項目について、自社の制度の現状をどれくらい把握しているでしょうか?

 

・制度の運用における担当者(責任者)が誰か

・制度を活用した人数

・制度を活用している部署

・制度における従業員からのフィードバック内容

 

このような現状を把握している方が、誰もいないことが多くあります。
では、なぜそのまま放置してしまう事になるのでしょうか。その理由は二つあります。

 

1.制度の導入目的が的確でない

2.制度運用の責任者がいない

制度をスタートする時点で、この2点が明確でない場合、社内施策は運用されず放置されてしまいます。施策のスタートの案内だけで、それがゴールになってしまっているのです。目的が明確で、その施策運用により成果が得られた場合、誰の評価に繋がるのか。それを具体的に決めた上でスタートをする必要があります。

部下に「コミュニケーション活性化のために“サンクスメッセージ”やってみてよ」と投げるだけでは、部下は「なんか面倒な仕事が増えたな……」と思ってしまうでしょう。

また、部下から上司へ「コミュニケーション活性化のために“サンクスメッセージ”をやりたいです」と提案した場合も、「サンクスメッセージの利用が、1ヶ月で従業員の80%を超えたら、これまで見えていなかった感謝のやりとりが○件生まれ、行動指針にある“感謝しあう文化”づくりに貢献できると思います」と、具体的なゴールイメージを持って話すことが重要です。

社内施策が活用されるための7つの運用ステップ

1.解決したい課題を明確にする

その制度で何を実現したいのかを明確にすることが重要です。これがなければその制度がどう活用されれば良いのかも分かりません。

例)サンクスメッセージの運用目的例→従業員同士が感謝する企業文化醸成

サンクスメッセージであれば、その内容は、お互い感謝の気持ちを伝える制度になると思いますが、その裏に、「普段職種間にある対立関係を解消するため、他部署に対して感謝できる文化をつくりたい」ですとか、「売上などの数字で見えない行動を見える化し、賞賛できる文化をつくりたい」というような、各社それぞれの目的もあるでしょう。まずはその解決したい課題をイメージをする必要があります。

 

ダイエットに例えると・・・「ただ痩せたい」ではなく「痩せてキレイになりたい」というイメージを持つことと似ています。

2.効果をどう測定するのかを決め、目標を設定する

例えば、サンクスメセージがどう使われると「従業員同士で感謝する文化ができた」といえるのか、どのように判断するのかをすり合わせておく必要があります。効果測定方法例としては以下のような方法があります。

 

・メッセージ送付数や活用率の数字を把握する

 例)従業員の80%が1ヶ月に1回以上誰かに感謝を伝えた

・従業員への診断やアンケートを行い把握する

 例)サンクスメッセージを開始する前と後で、感謝し合う環境に変化があったかを聴取する

 

ダイエットで例えると、「目標体重や目標サイズを決める」ということに近く、できるだけ定量的なデータで判断できるように設定することをおすすめします。

3.制度内容を検討する

目的や課題に合わせて、具体的な制度内容を検討します。社内制度は、従業員に対して商品開発をするように設計する必要があり、一番難しいところになります。

対象となる従業員にもよりますが、できる限り利用のハードルを低くし、まずは「使ってもらえること」を目指して設計することから始めると良いでしょう。

内容の設計もそうですが、「めんどくさい」と思われる業務フローを作ってしまうと使われなくなってしまう可能性が高くなります。なるべくシンプルなフローにするよう心がけましょう。

 

また、制度を活用した後の体験として従業員が「良い体験をした」と思ってもらうことも重要です。

ダイエットで例えると・・・体重を落とすための具体的なプランを考えるところになります。なるべく継続して行えるプランにする方が、ダイエットが成功するのと同じように、社内でもなるべくみなさんが利用できるプランにすることがポイントです。

4.運用ルールを決める、運用上での目標を決める

社内制度を運用しゴールに向かって改善していくには、そもそも活用されなければ意味がありません。制度の活用率の目標を設定しましょう。

ここでは社内制度を運用する担当を決め、責任を持たせることが重要です。社内制度は、何らかの目的があって実施するはずですので、その制度に対して誰も責任を持たない状態では、「続かない」まま放置されてしまうこととなります。

ダイエットで例えると・・・「目標に近づくため、毎朝体重計に乗る」というようなルールを決める」ということになります。

5.制度開始時の説明、アナウンスを丁寧にしっかり行う

ここまでは、運用担当が主に検討する内容となりますが、社内制度の活用は、従業員が活用してもらわないと効果を生みません。スタート時にしっかりと説明することが重要です。ここでは、「この制度を知らなかった」という人を、0に近づける取り組みが求められます。

Googleでは、社内制度などのプログラムをアナウンスする際、社員にあらかじめ試験的に取り入れるというアナウンスだと断り、価値が証明された時だけに継続すると説明しています。(参考:ワーク・ルールズ!君の生き方とリーダーシップを変える ラズロ・ボック)

新しい制度や仕組みを入れる時は、全員が賛成するとは限りません。また、それが金銭的な補助があったり、従業員の生活の基盤になるようなものである場合、既得権益化したりして、その制度が廃止になった時に大きな不満につながります。

そのため、スタートする時こそ、その目的や意図、望んでいる姿を丁寧にアナウンスすることが重要です。

弊社でTUNAGを導入する場合も、取り組みにあたり経営者からメッセージを出していただいたり、全社員が集まる場で担当の方から案内していただいたりするケースが多くあります。以下のような手段を活用して、丁寧にアナウンスしていくことを心がけましょう。

6.活用状況を週次、もしくは月次で確認し、制度の改善を行う

社内制度や取り組みがスタートしたら、後は目標に向かって取り組むだけです。まずは活用されるよう促進し、その状況を定期的に確認しましょう。そもそも使われていなければ「制度内容」を改善し、またアナウンスしていく……ということが必要です。

社内制度自体も、PDCAを回していくことが重要なのです。何度か改善したが思う効果が出ない、できることを尽くしたがうまくいかない、そんな時はその制度を潔く廃止する。そのような決断をしていくことももちろんあります。

ダイエットに例えると・・・「カロリーに気をつけて食事をとっていたが、目標になかなか届かないため、運動量を増やそう」というように、ダイエットプランを改善していくようなことになります。

運用担当の方が「大変だ」と感じる点でいうと、ここが一番難しく、手応えを感じるまでに時間もかかるところになります。新規事業や新商品開発等でも同じですが、PDCAをまわしていくところが一番重要で、負担の大きいところです。

7.活用データと、現場のパフォーマンスの相関を分析する

1〜5のステップを踏むことがまずは重要ですが、せっかく社内制度の運用を進めていくのですから、その取り組みが会社にとって「良い効果があった」と証明していけると、制度に取り組む部署や担当者の評価にもつながり、会社としてもさらによい循環が生まれていきます。

そのために、その社内制度の活用データと、現場のパフォーマンスに相関があるのかを分析していくと、よりその取り組みが価値のあるものとなり、利用データが会社の財産となります。

【サンクスメッセージ例】

・サンクスメッセージの活用があったデータを分析すると、頻繁に感謝を伝えあっている
部署は、そうでない部署より目標達成率が高かった

・会社のハイパフォーマーは、他部署へのサンクスメッセージを送る率が高いことが分かった

など、社内制度の目的を超えた、会社の本来の目的である売上・利益向上につながるヒントが得られる可能性も十分にあります。そのヒントや分かったことを他の部署に横展開していくことで、さらに会社として発展していくことができます。

そのメリットは、多大な採用費や設備投資等に比べると非常に低コストで行うことも可能です。長期的な取り組みが必要ではありますが、じわじわと会社そのものの文化や風土に影響を与えていくことは間違いありません。

>社内制度はナマモノ。常に目的のために手をいれていくことが重要

様々な社内制度の運用こそが、エンゲージメントの向上に威力を発揮するのです。